家が傾いていると気づいたらどこに相談したらいい?相談内容ごとに紹介します!
「住んでいる家が傾いてるかもしれない…!」と気が付くと、とても不安になってしまいますよね。一気に傾きが進んでしまったり、最悪の場合倒壊してしまったりする可能性もあるので、できる限り早くなんらかの対策をとる必要があります。とはいえ、対策をとるといっても、家が傾いているなんて経験がある人はほとんどいませんから、どうしたらいいか困ってしまうと思います。
そこで今回は、家が傾いていると気が付いた時にはどこに相談したらよいのかについて、相談したい内容に合わせてご紹介します!
目次
1. 家が傾いたらどうなる?
家が実際に傾いている場合、どんなリスクがあるのでしょうか?
家の傾きは、長期間現状が維持される場合もあれば、ゆっくりと傾きが進む場合、急激に進む場合があります。最悪の場合は倒壊する危険性もある、家の状態を知らせる重要なシグナルといえます。
倒壊はしないにしても、家が傾くことで様々な弊害が出てきます。例えば、扉や窓が開きにくくなったり、家具などが不安定になったり…ものに対してだけではなく、頭痛やめまいを引き起こすなど体調に悪影響を及ぼすこともあります。
そのため、家が傾いてるかもしれないと思った時には、早めに相談することが必要なのです。
2. <相談内容別>家が傾いていると気が付いた時の相談先
家が傾いてるという問題は、個人で解決できる問題ではありません。専門家の力を借りて、調査や修繕を行う必要があります。
初めて経験する状況という方がほとんどかと思いますので、どこに相談していいかもわからないでしょう。
そこでこの章では、状況や相談内容に応じた相談先をご紹介します。
自分たちだけで考えていても先に進めないので、まずは相談してみましょう!
2-1. 相談したいことが明確ではない場合の相談先:自治体等の相談窓口
「家が実際に傾いているのかわからない…」「とにかく何をしたら良いかわからない…」「できるだけ費用をおさえて解決したい…」というような状況・お悩みの場合には、まずは自治体の相談窓口を利用することをオススメします。
各自治体では、住まいに関する相談を受け付ける窓口を設置しています。
自治体によって受け付けている内容は多少異なりますが、こうした相談窓口では、建築、耐震化、高齢者の住み替え、マンション管理、契約のトラブル、資金計画など、住まいに関する様々な相談を受け付けています。相談は、「建築士」「ファイナンシャルプランナー」「消費生活相談員」など、専門性の高い方々が担当してくれることが多いです。一般の相談と、建築家などが担当する専門相談とがわかれている場合もあります。
『住まいに関することで困ったこと』があれば、まずは相談をしてみて、その先どのように対応を進めたらよいかのアドバイスをもらうとよいでしょう。
こうした自治体の相談窓口は、ほとんどの場合無料です。
利用方法は、電話やメールで予約が必要な場合と、空きがあればすぐに対応してくれる場合があります。お住いの自治体のHPなどで調べてみてください。
2-2. 家の傾き具合を知りたい場合の相談先:住宅診断士などの専門家
本当に家が傾いているのか、また、どれくらい傾いているのかを知りたい場合の相談先としては、住宅診断士などの専門家に相談しましょう。
簡易的に自分でも家の傾き具合は確認できますが、正確に家の傾き具合を確認するには、やはりプロの力をかりなければなりません。
住宅診断士はホームインスペクターとも呼ばれ、建物に欠陥や劣化、改修箇所がないかを調べる専門家です。家の傾きを正確に測ることができ、修繕の必要性についても、アドバイスをもらえます。住宅診断士はホームインスペクション(住宅診断)を行うのですが、これは住宅の健康診断のようなもので、一次診断では基本的に目視で調査を行います。何か問題が発覚した場合は、その分野の専門家により検査機材を用いた二次診断が行われることになります。中古住宅購入前や新築住宅の引渡し前に実施されることが多いですが、「家の傾きが気になる…」というようなケースでも、調査を依頼することができるのです。
調査をしてもらいたい場合は、インスペクション専門の業者に依頼しましょう。一般的な調査であれば2~3時間程度、床下や屋根裏の調査も行う場合は、3~4時間かかります。
一般的な調査に必要な費用は5~7万円程度で、より詳細な調査となると10万円程度かかります。1部屋のみの傾き調査であれば5~7万円の範囲で済むことが多いですが、全ての部屋を確認するとなると、10~15万円必要となる場合が多いです。
インスペクション専門業者以外に、家の傾き修正の専門業者でも、家の傾きについて調査をしてもらうことができます。修正の専門業者ということで、本来は調査から修正までを行っているのですが、調査だけを行ってくれるところもあります。修正を依頼する前提の場合は、調査自体の料金はかからないことがほとんどですが、調査だけを依頼した場合は10万程度の費用がかかります。
2-3. 家の傾き修正を依頼したい場合の相談先:家の傾き修正業者
家の傾きを修正したいと考えている場合は、家の傾き修正業者に相談しましょう。その他、建築会社やリフォーム会社への相談もできますが、家の傾き修正は、一般的なリフォームや建築と異なる特殊な技術や設備が必要なることが多いため、家の傾き修正の専門業者に相談することをオススメします。
3. 相談先を決定するときのポイント
お悩み別の相談先についてご紹介しましたが、それぞれの相談先は1つではありません。そのため、その中でもどんなところに相談したらよいのか悩んでしまう方もいるでしょう。
そこでこの章では、各相談先を決定するときのポイントをご紹介します。
3-1. 自治体等の相談窓口に相談する場合
自治体などの相談窓口の利用は基本的に無料ですから、気軽に利用することができます。
自治体によって相談窓口の種類などは異なりますが、基本的には、住民票がある人のみ相談を受け付けていることがほとんどです。隣接する県などに、より充実した相談窓口が設置されていたとしても利用できないので、その点は注意しましょう。
住まいの相談窓口といっても、相談内容によって複数に分かれていることもあります。どの分野の専門家に相談したいかを明確にしておくと、より希望に合ったアドバイスをしてもらえるでしょう。
また、予約の必要性の有無の確認は必須です。せっかく相談窓口まで行ったのに、予約制で相談できなかった…となっては時間の無駄になってしまうので、事前に調べてくださいね。
3-2. 住宅診断士などの専門家に相談する場合
住宅診断士にホームインスペクションを依頼する場合は、これまでにお住いの住宅との関りが全くない業者を選ぶようにしましょう。例えば、住宅を購入した不動産会社や、住宅を建築した建築会社などに依頼した場合、何かしらの癒着がある可能性があり、公正な調査をしてもらえない懸念があるのです。また、紹介料などを受け取っていることにより、費用が割高である可能性も考えられます。
費用に関して言えば、無料やあまりに安い費用で引き受けてくれるという場合も、注意が必要です。無料と言いながら、強引に傾き修正やリフォームを自分たちで行い、多額の費用を請求されるリスクもあるのです。
ホームインスペクションは誰がやっても同じというわけではなく、やはりスキルの差がでます。そのため、実績のある会社に依頼するようにしましょう。また、調査後にどの程度説明してもらえるかも確認しておいた方が良いです。また、説明がわかりやすいかどうかも重要です。契約時の対応等も見ながら、コミュニケーション能力があり、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
3-3. 家の傾き修正専門業者に相談する場合
家の傾きの修正には、特殊な技術や熟練したスキルが必要不可欠です。どのような修正を行っていて、どれくらいの実績があるのかをよく確認しましょう。
所属する専門家が、どのような資格を持っているのかということも、確認ポイントの一つです。例えば、『一級土木施工管理技士』『一級建築施工管理技士』『一級建築士』の資格者がいることは、より専門性の高い業者であることの証明になるでしょう。
家の傾きの修正には費用がかかりますが、安ければよい、高ければ良いというものではありません。価格が安くても、技術力が十分でなければ全く意味がありませんし、高いからといって技術力があるとも限りません。家の傾き修正とは、これから長期間暮らす家の安全性に大きく影響することですから、施工の質にはこだわって相談先を選ぶことをオススメします。
また、修繕前提の場合には、相談先も1つではなく複数を選定した方が良いでしょう。
技術力や実績、資格の有無などの情報に加え、電話や対面時の対応から、信頼のおける業者であるか判断してくださいね。
4. まとめ
家が傾いていると、扉や窓が閉まりにくくなったり、体調に支障をきたしたり、最悪の場合倒壊する危険性もあるので、早めの対応が望まれます。
どうしたらよいかわからないという時は、自治体の無料の相談窓口の利用が便利です。ホームインスペクションで、傾きはもちろん、家全体の問題点を見てもらうというのも良い方法だと思います。
とはいえ、基本的には家の傾きはそのままにしておくのではなく、何らかの修正をすることをオススメします。家の傾きを修正することが前提なのであれば、家の傾き修正の専門業者に依頼するのが最もリーズナブルで、早い対応が可能でしょう。
どの相談先に相談するにしても、丁寧に話を聞き、アドバイスをしてくれるかというのは大事なポイントです。自分が「信頼できる」という感覚を大切にして、相談先を選ぶようにしてくださいね。