体の不調の原因は「家の傾き」かも? 家の傾きが住宅や人に与える影響について解説

「最近、家の中でものが転がりやすくなった気がする」「なんだかいつも体調が悪い…」。
これらのお悩みを抱えていませんか?もしかしたら“家の傾き”が原因かもしれません。
家が傾くと、住まいに不具合が生じるだけでなく、めまいや吐き気などの体調不良があらわれることもあるのです。
本記事では、家が傾くと健康にどのような影響があるか?また、家の傾きをいち早く見つけるためにはどうすればよいか、詳しく解説します。
1. 体調不良は「家の傾き」のサインかも!
●家が傾くとどうなる?
地盤沈下により家が傾くと、建物が歪み、ドアや窓の開閉に不具合が生じたり、壁や天井のひび割れ、さらには家そのものが崩れたりしてしまうリスクがあります。また、建物が傾いていると、不動産価値が低下し、売却や賃貸が難しくなってしまう可能性もあります。
地盤沈下について詳しく解説した記事はこちら
さらに見逃してはならないのが、健康に与える影響です。以下のようなお悩みがあれば、家が傾いていることが原因かもしれません。
●家の中で転んだり、ケガをしやすい
階段や床が傾いていると、歩行時にバランスを崩し、転倒やケガの原因になります。特に高齢者や体の動きに制約がある方は注意が必要です。
●めまいや吐き気、肩こり
床が傾いて斜めになった部屋にいると、平衡感覚が乱れてしまいます。ヒトの脳は水平を基準として動作しているため、部屋が傾いていると体がバランスを保つのが難しくなります。平衡感覚のズレが続くと、めまいや吐き気、肩こりなど、体の不快感を感じることがあります。
●体の痛みや不調
傾いた状態で長時間過ごしていると、体の特定の部位に歪みや負荷がかかります。関節や筋肉にストレスがかかると、痛みや不快感が引き起こされることがあります。
●ストレスや不安感
傾いた家で長時間過ごしていると、視覚や身体感覚にも影響し、心理的なストレスや不安感などの不調が増幅されてしまうことがあります。
2. 家の傾きは気づきづらい!
●家の傾きに気づかないのはなぜ?
傾いた家で過ごしていると、平衡感覚の乱れや体の不均衡によって身体的・心理的にさまざまな悪影響が生じます。このため早期に適切な対策が必要ですが、実は「家の傾き」はなかなか気づきづらいものなのです。
長期間、傾いた家に住んでいると、感覚がしだいに麻痺してきて、視覚的な違和感や体調不良などの自覚症状や、体が出しているサインに気づかなくなってしまうのです。
●めまいを感じる=沈下修正工事が必須の傾き
日本建築学会による「床の傾斜角と健康被害」についての情報(※)によると、多くのひとは傾斜を感じるレベルの傾き(0.29度、5/1000)では、「窓に隙間が生じる」「床に置いた物が転がる」「ドアが勝手に開閉する」「基礎や外壁などに亀裂が生じる」など、建物への影響があります。そして、めまいや頭痛が生じるレベルの傾き(0.6度、1/100程度)では、建物はもはや沈下修正工事を行わざるを得ないほどに傾いてしまっているのです。
ほんのわずかな違和感を感じる程度の傾きであれば、傾いた家に慣れてしまうことも珍しくありません。少しでも違和感を感じたら、専門家に相談することをおすすめします。
※参考:日本建築学会HP
3. 家が傾いているかも? と思ったら専門家に相談を!
家の傾きは、「沈下修正工事」を行うことによって元通り水平に直すことができます。家が傾いているかも? と思ったら、まずは専門家に調査を依頼することをおすすめします。
業者を選ぶ際には、沈下修正工事の実績や地盤改良の実績が豊富かどうか、信頼できるアドバイザーが在籍しているかどうか、万が一事故が起きた場合にも保証があるかどうかなどを基準にチェックするとよいでしょう。