地盤沈下とは? どういう状況のことを地盤沈下と呼ぶのかわかりやすく解説

テレビのニュースなどで時々耳にする「地盤沈下」。住宅の傾きにはさまざまな原因がありますが、なかでも多いのが地盤沈下です。大切な家に長く暮らし続けるためにも、地盤沈下について知り、家が傾くことなどのトラブルを未然に防ぎましょう。
1. 地盤沈下とは?
地盤沈下は、特定の地層が圧縮して地面が下がり、沈下する現象のことをいいます。これは一般に、地盤の下にある土や地盤の支持層(建築物や構造物の基礎部分における地盤の層)が圧縮されるなどして地盤の持つ支持力が低下し、地盤表面が下がることによって発生します。
地盤沈下は「広域での沈下」と「局所的な沈下」の2つにわけられます。
広域での地盤沈下とは?
広域での地盤沈下は、地震による地殻変動などの自然現象によるものと、地下水の組み上げや地下の掘削などによる人為的要因によるものがあります。
広域での地盤沈下が起こると、家屋の傾斜をはじめ、ビル等の抜け上がり、地下埋設管の折損、湿地帯の出現、農地等の排水不良、海水面以下の土地(いわゆる「ゼロメートル地帯」)の出現などを引き起こす可能性があります。
局所的な地盤沈下とは?
局所的な地盤沈下は、建物の重みによって地盤や建物が不ぞろいに沈んだり滑り出したりする状態です。家全体が均等に沈下するのとは違い、一部だけ傾きを起こすケースが多くみられます。不均等な地盤沈下の状態のことを「不同沈下(不等沈下)」と呼びます。
不同沈下は、近隣の工事による地盤強度が低下することや、土の圧密(土に荷重がかかった際に、その隙間に存在していた水や空気が追い出され、土の体積が徐々に減少し、土が収縮する現象)によって引き起こされます。
不同沈下の要因がある土地に対策をせずに建物を建てると、数年以内に地盤が沈下する可能性がありますし、建築直後に沈下してしまうこともあります。
2. 地盤沈下が住宅に与える影響
住宅が建っている土地で地盤沈下が起きると、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。
地盤沈下による住宅の問題の一つは、建物の不均衡な沈下です。その場合、建物や構造物が傾いたり、歪んだりすることがあります。不均一な沈下が続くと、建物の基礎部分が破損することもあります。
また、地盤が沈下すると、建物や建造物が下がり、水たまりができることがあります。これは、配管や下水道の傾きが変わったり、破損したりすることにより、周囲に水があふれてしまうためです。
地盤沈下によって建物に歪みが発生してしまった場合、建物の一部が傾いたり、ひずみが生じたり することがあります。これにより、建物の壁や床、天井などにひび割れが生じたり、ドアや窓の開閉が困難になる場合もあります。
さらに、地下水位が変化することによって地盤沈下することがあります。地下水位が下がると、地盤沈下により建物の基礎部分が露出し、安定性が低下したりします。いっぽう、地下水位が上がると、地盤の強度が下がったり、建物が浸水することもあります。
3. 地盤沈下かも? と思ったら専門家に相談を!
住宅を建てる際には、地盤の状態を事前に調査し、地盤沈下のリスクを評価することが重要です。
また、不同沈下が起こった場合でも、適切な調査と修復工事を施すことによって、水平に戻すことが可能です。業者を選ぶ際には、不同沈下修正工事の実績や地盤改良の実績が豊富かどうか、信頼できるアドバイザーが在籍しているかどうか、万が一事故が起きた場合にも補償があるかどうかなどを基準にチェックするとよいでしょう。