家が傾いている?ビー玉転がしからプロの道具使用まで家の傾きの調べ方をご紹介

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『なんだか床が傾いている気がする…』と感じたら、それは、気のせいではない可能性があります。
どんなに丁寧に建てられた住宅でも、人間が作っている以上多少の施工誤差はできてしまいますし、地盤も変化しますので、その影響を受けることもあるのです。

体感できるほどの傾きは、住宅にとっても、そこに住む人にとっても悪影響を与えるかもしれません。家の傾きの調べ方をご紹介しますので、ぜひ試してみてください。

目次

  1. 1. 自分で簡易的に家が傾いているかを調べる方法
    1. 1-1. *レベル1 道具の購入や準備がほとんどいらない調べ方
    2. 1-2. *レベル2 道具の購入や準備が必要な調べ方
  2. 2. 自分でプロの道具を用意して家の傾きを調べる方法
    1. 2-1. 建物内部の傾きを調べるレーザー墨出し器
    2. 2-2. 地盤の傾きを調べるレベル測定器
  3. 3. プロの業者に依頼して家の傾きを調べる方法
    1. 3-1. ホームインスペクション(住宅診断)を利用する
    2. 3-2. 家の傾き修繕の専門業者に依頼する
  4. 4. 家が傾いているとどうなる?
  5. 5. 家が傾く原因
  6. 6. まとめ

1. 自分で簡易的に家が傾いているかを調べる方法

まずは、そもそも家が傾いているのかどうかを調べてみましょう。
傾いている可能性を確かめる方法なので、今からご紹介する結果に当てはまったとしても必ず傾いているとは限りませんが、本格的に家の傾きを確認するかどうかの目安にしてみてください。

1-1.*レベル1 道具の購入や準備がほとんどいらない調べ方

ビー玉を置いてみる

床にビー玉を置いて、自然に転がってしまうようであれば、家が傾いている可能性があります。1回ではなく複数回、1箇所ではなく複数個所で試してみるとよいでしょう。 ビー玉がなければ、ゴルフボールなどの別の球状のものでも問題ありません。

四角い形のペットボトルに水を入れて床に横向きに置いてみる

床に置いても転がらない四角い形のペットボトルに水を入れ、床に横向きに置きましょう。水が明らかに傾いていれば、家自体が傾いている可能性があります。

透明な入れ物に水を入れ、上部にマジックで印を入れて床に置いてみる

コップなどの透明な入れ物に水を入れ、水が入っている一番上のラインにマジックで線を引きます。それを床に置いて、つけた印に対して水が傾いていれば、家が傾いているかもしれません。

複数のドアを開閉してみる

複数のドアを開閉して、勝手に閉まってしまったり、開いてしまったりする場合は、家が傾いている可能性があります。
また、ドアや窓、襖などを開閉してみて、引っかかりを感じたり、普段より力がいると感じたりした場合は、家が傾いている可能性があります。

外壁などにひび割れがないか調べてみる

地震などが発生していないにもかかわらず、外壁などにひびが入っている場合は、家が傾いている可能性があります。ぐるっと一周、外壁などを確認してみましょう。

スマホの『傾斜測定アプリ』で傾きを測定してみる

スマートフォンの『傾斜測定アプリ』を使って傾きを測定する方法です。スマホを傾けると、画面がタテヨコに一緒に回転する機能がありますが、あの角度の変化を感知するジャイロセンサーを活用しています。
無料のアプリもたくさんありますので、一度試してみてください。

1-2.*レベル2 道具の購入や準備が必要な調べ方

ホームセンターなどで水平器を購入して床に置く

ホームセンターに行くと、水平器というものが販売されています。3000円以上するものもありますが、とりあえず調べてみるのであれば1000円前後のものでも十分でしょう。 水平器を床に置いたり、壁にあてたりして、家の傾きを調べることができます。

ホームセンターなどで下げ振りを購入して壁の傾きを調べる

下げ振りとは、糸の先端に下げ振りと呼ばれる重りを糸でぶら下げて、柱・壁との垂直を確認するための道具です。下げ振り保持器の部分を壁にあてて固定し、下げ振りの糸と柱や壁が垂直になっているかを確認します。糸離れの長さが上部と下部で異なっていれば、傾いているということになります。こちらは、ホームセンターなどで、3000円程度で購入可能です。

正確さは劣りますが、家にあるもので代用することもできます。

糸(1m程度)・50円(または5円)玉・テープ・メジャーを用意し、50円玉に糸を結んで、結び目と反対側の糸をテープで柱や壁に貼り付けます。家が傾いていると、糸と柱の間に隙間ができるので、50円玉と柱までの距離をメジャーではかることで、家の傾きが確認できます。

2. 自分でプロの道具を用意して家の傾きを調べる方法

プロも下げ振りを使う場合はありますが、より詳細に傾きを調べる場合には別の道具を使います。この章では、プロが使う代表的な2つの道具についてご紹介します。

 

2-1. 建物内部の傾きを調べるレーザー墨出し器

建物の内部の傾きを調べるためには、水平と垂直のレーザーが照射できるレーザー墨出し器を使います。部屋の中央に置いた機械から部屋の四隅に向かってレーザーを照射し、レーザーの水平線と垂直線を基準として床や壁を見ることで傾きを調べることができます。

高価で使用方法も少々難しく、普段からDIYをするような人でなければ、わざわざ購入するのは現実的ではありませんが、インターネットなどで購入することは可能です。最近では、DIY用に、小型のものが1万円前後から販売されています。

 

2-2. 地盤の傾きを調べるレベル測定器

地盤の傾きを調べる道具は、地盤の高低差を調べられるレベル測定器です。

レベル測定器には種類がありますが、『オートレベル』という測定器が使われることが多いです。望遠鏡のような機械を三脚に取り付け、水平な場所に設置して覗くと、水平を自動で補正してくれます。街中の道路上などで、オートレベルを使っているのを見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。

こちらを購入して自分で調べるということはほぼ無いと思いますが、プロの使う道具として、ご紹介いたしました。ガーデニングや、屋外のカーポートなどをDIYするときに活用される場合はあります。安いものであれば、2万円前後から購入可能です。

 

3. プロの業者に依頼して家の傾きを調べる方法

簡易的な方法で家の傾きがあるとわかったら、やはりプロに診断してもらうのが安心です。
プロに依頼する場合には大きく2つの選択肢があります。

 

3-1. ホームインスペクション(住宅診断)を利用する

ホームインスペクションでは、家の傾きだけではなく、配管などを含めた住宅全体の診断をして報告書を作成してもらえます。修繕が必要かどうかの相談をすることもできます。費用は、一般的な住宅で10万~15万円程度が相場ですが、これは基本的な調査に対する費用なので、すべての部屋の傾きを調べてほしい、床下や屋根裏まで調査してほしい…といった場合は、追加の費用がかかることが多いです。

 

3-2. 家の傾き修繕の専門業者に依頼する

ホームインスペクションは調査のみなので、傾きを修繕したい場合は別途業者に依頼する必要があります。初めから傾きを修繕したいと考えているならば、家の傾き修繕の専門業者に依頼するのが良いでしょう。工事が前提であれば、調査自体は無料で行ってくれる場合が多いです。調査のみを有料で行ってくれる業者もあるので、工事を考えていない人も相談してみるとよいでしょう。

家の傾き具合や、工法によって費用は異なりますが、300万円程度かかることが多いです。

施工範囲が狭い場合は100万円程度で済むこともありますが、範囲が広い場合や建物が重い場合などは500万円以上かかることもあります。

相場をはるかに超えるような費用を提示する業者は避けなければなりませんが、家の傾きの修繕は技術が必要なので、安さだけで選ぶのは危険です。確かな技術を持ち、納得のいく金額を提示してくれる業者に依頼しましょう。

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4. 家が傾いているとどうなる?

ちょっとくらい家が傾いていても大丈夫だろうと思うかもしれませんが、程度によっては建物にとっても、そこに住む人にとっても大きな影響を与えかねません。

少し窓やドアの開閉に力がいる程度であれば生活に支障はないかもしれませんが、傾きが進んでドアや窓が開閉できなくなったり、鍵がかからなくなったりする可能性があります。また、柱と壁に隙間ができると、家の強度はもちろん、気密性が低くなり室内を快適な温度に保てなくなってしまいます。雨漏りがして家の劣化が進むことも考えられますし、最悪の場合倒壊する恐れもありますので、家の傾きを甘く見るのは危険です。

住人への影響については、ちょっと違和感がある…という程度であれば慣れてしまうかもしれませんが、めまいや頭痛、食欲不振といった体調不良に繋がってしまう可能性もあるのです。

 

5. 家が傾く原因

家が傾く原因は様々です。

まず考えられるのは、地震による影響です。地盤のずれや液状化によって家が傾いてしまうことがあります。その他、地盤沈下が原因となることも多いです。地盤沈下は、自然発生的なものだけではなく、近隣の地盤工事や地下水の汲み上げなど人為的な原因によって発生することもあります。

残念ながら、施工不良が原因ではじめから傾いている場合や、時間が経過することで徐々に傾いてくることもあります。その他、シロアリが柱の構造部分などを食べてしまうことで、家が傾いてしまうことがあります。

床が傾く原因としては、床材の腐食も考えられます。ただし、こちらは家自体が傾いているわけではありませんので、床材を取り換えれば改善されます。

 

6. まとめ

家が傾いてるかも…と思ったら、まずは簡易的な方法でもいいので、早めに調べてみましょう。簡易的な方法については、今回ご紹介した調べ方から、いくつか組み合わせて試してみることをオススメします。DIYをよくする方であれば、これを機にレーザー墨出し器を購入して調べてみてもよいですね。

これくらい傾いてるだけなら大丈夫と思っても、地盤沈下が原因の場合などは、あっという間に傾きが進んでしまう可能性があります。深刻な状況になる前に少しでも早く対応しましょう。ホームインスペクションを依頼したり、家の傾きを修繕業者に依頼したりして、毎日安心して暮らせるようにしてくださいね。

 

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